『ダービーカジノ』発売記念。実際の競馬より面白い競馬系ボードゲーム9選

2024年4月26日、すごろくやから『ダービーカジノ』が発売されました。

元々のタイトルは『READY SET BET』で、海外で発売された競馬のボードゲームです。ありそうでなかったタイプの競馬系ゲームとして話題になっていました。タイトルが日本独自のものに変更になり、遂に日本語版が発売です。専用のアプリも作られて、アプリを使えば非常に遊びやすく、本物の競馬より盛り上がるルールになっています。

というわけで、レース結果を予想してお金を競う競馬系ボードゲームを9タイトル紹介します。あくまでも順位を予想したり馬券を買ったりするボードゲームだけに絞って、自分が走って1位を目指すタイプのレースゲームは除きました。

ダービーカジノ

ダービーカジノ/2〜9人/10歳〜/60分〉

9頭の馬が走るレースの結果を予想し、お金を稼ぐカジノ風競馬ゲーム。

ボード上に自分の賭けチップを置いて、馬の着順を予想します。当たれば、賭けチップを置いた場所に応じた配当が貰えます。4レースやって、最も所持金の多い人が勝ちとなります。

馬の進み方は、代表者がサイコロを2個振って合計数の馬が1マス進みます。確率的に7が一番出やすいですが、倍率の高い4や12に偏るかも知れません。そしてこのゲーム最大の特徴が、レースがスタートして馬が走り出してから賭けチップを置くリアルタイムベット方式なのです。「6の馬が独走してるぞ」と思えば、レースの途中で6の馬に賭けチップを置けばいいのです。

しかし、賭けチップは1ヶ所に1つしか置けないので早い者勝ち。早く置けば倍率も高くなりますが、早過ぎるとレース展開が変わってハズレるかも知れません。しかもハズレはマイナスになります。

サイコロを振って遊んでもいいのですが、サイコロを振ってくれる専用のアプリがあるんです。画面も見やすくて、レースに集中出来るのでアプリの使用は必至ですね。大画面に映すとより楽しくなりそう。

ロイヤルターフ

ロイヤルターフ/2〜6人/10歳〜/45分〉

7頭の馬が走るレースの結果を予想し、お金を稼ぐ競馬ゲーム。

3位までに入る馬を全員が予想したらレース開始。サイコロを振って馬をゴールまで進め、1〜3位までの馬に賭けていたら倍率に応じてお金が貰えます。3レースやって最終的に所持金が多い人の勝ちとなります。

このゲームは、馬の進め方が特徴的で凄いアイデア! サイコロのどの出目で何マス進めるかが馬ごとにバラバラで、サイコロを振った後にどの馬を進めるかを決めます。一度選択した馬は、全ての馬が進まないと再び選べないというのも馬を思うようにコントロール出来ない要因になっています。この選択が本当に悩ましいですね。

応援している馬を進めるか、他の人が応援している馬の足を引っ張るか。何度かリメイクされているライナー・クニツィアの名作です。競馬のボードゲームと言われて、このゲームを思い浮かべる人も多いはず。

フィニッシュライン

フィニッシュライン/2〜4人/12歳〜/30分〉

7頭の馬が走るレースの結果を予想し、お金を稼ぐ競馬ゲーム。

1位と2位の馬を予想して紙に書いたらレーススタート。的中すれば倍率に応じたお金が貰えます。3レースやって最終的な所持金を競います。

馬の進め方がこのゲームのメインになっています。5色27個あるサイコロの中から2色以上の組み合わせになるようにサイコロを3個選択します。そのサイコロ3個を振って、1つだけ選んで効果を発動します。残ったサイコロ2つは隣の人に渡して、受け取った人がサイコロ1つを加えて振ります。これを繰り返します。サイコロの効果は、馬1頭の順位を上げたり、当たった時の倍率を上げたり様々です。

他には特定の馬を落馬させて退場させるという効果もあったりして、はちゃめちゃながらサイコロを振るのが楽しいゲームです。

イグザクタ

〈イグザクタ/1〜5人/8歳〜/15分〉

7頭の馬が走るレースの結果を予想し、得点を稼ぐトリックテイキング風カードゲーム。

適当な順番に7頭の馬を並べたらレーススタート。配られたカードの中から1枚を裏返しに伏せて出して、3着以内に入る馬を予想します。残ったカードを使ってメイフォローのトリックテイキングを行います。このトリックで最も大きい数字の色の馬は順位が上がります。これを繰り返して、カードが残り1枚になるまで続けます。最後に残ったカードも3着以内に入っていれば当たりです。倍率に応じて得点を獲得します。4レースやって得点の多い人が勝ちです。

最下位だった馬は次のレースではらぺこ状態になって順位が2つずつ上がったり、1位と2位を順番通り当てたら高配当だったり、はらぺこ状態の馬で当たると2倍だったり、いろんな得点要素があって楽しいです。順位をどれだけ操作出来るかが勝利のカギになります。

キャメルアップ

キャメルアップ/3〜8人/8歳〜/45分〉

5頭のラクダが走るレースの結果を予想し、お金を稼ぐボードゲーム。

5色のサイコロが入ったピラミッドを振って、出たサイコロと同じ色のラクダを進めてレースを進行していきます。途中経過の1位を予想し、最終的なレースの1位と最下位を予想してお金を稼ぎ、最後に所持金を競います。

サイコロの目は1〜3までなのでラクダの動きはゆっくり、他のラクダがいるマスに入ると背中に乗って運ばれ、罠を踏めば戻り、展開が読めないラクダレースになります。2014年のドイツ年間ゲーム大賞に選ばれただけある面白さが安定してるボードゲームです。

上の写真は新装版で、逆走する邪魔なラクダが2頭加わり、ピラミッドがプラスティック製のしっかりした作りになりました。

ドラゴンクエスト:スライムレース

〈ドラゴンクエスト:スライムレース/3〜5人/10歳〜/60分〉

5匹のスライムが走るレースの結果を予想し、お金を稼ぐボードゲーム。

テレビゲーム『ドラゴンクエスト5』と『ドラゴンクエスト10』のカジノの中にあるスライムレースをボードゲームにしたものです。速度の違う5匹のスライムの1位と2位を予想して、当たればお金が貰えます。目標金額に達した人が勝ちです。

スライムは全員に配られたカードを出すことで進みます。やる事は進む数が書かれたカードを出すだけなので、賭けているスライムが少しでも前にようにカードを出していきます。一気に数十マス進むカードもあるので最後に大逆転もありますが、非常にバランスも良くて誰もが楽しめる運要素の強いゲームになっています。

このボードゲームは、とにかくコマが全て可愛い。それだけで面白さが50%くらいアップしてますね。オリジナルは1992年に発売で現在では入手困難。「面白いらしい」という噂だけが聞こえてきてたのですが、2012年と2019年にリメイクされました。

フルスロットル!

〈フルスロットル!/2〜6人/10歳〜/40分〉

6台のモペットが走るレースの結果を予想し、得点を稼ぐボードゲーム。

山札から6台どれかのモペットが描かれたカードを1枚ずつめくり、カードに書いてある数だけモペットを進めます。規定枚数カードをめくったら、スタートプレーヤーがめくったカードの中から1枚だけ秘密裏に獲得します。残ったカードは隣の人に渡して、受け取った人が秘密裏にカードを1枚獲得します。これを全員繰り返したら、残ったカードは山札の1番下に入れます。これを繰り返して、モペットが3台ゴールするまでレースを続けます。3着までに入ったモペットのカードを獲得していれば、順位に応じて得点が貰えます。合計得点が多い人の勝ちです。

原付バイクのモペットレースというのがなかなか可愛らしいです。それよりも、モペットを進めるためのカードと得点を稼ぐための車券となるカードが一緒というとんでもないシステムのゲームです。例えば「黄色いモペットを応援するぞ」と黄色いカードばかり集めていると、山札の中に黄色いカードが少なくなって黄色いモペットがなかなか進まなくなるのです。ゴールするにはコースを3周する必要がありますが、山札がコース一周くらいで一巡するのも良く出来てますね。

変わったシステムのボードゲームが多いフリードマン・フリーゼ作のフリーゼらしい変なレースゲームです。前半は「何色を応援すればいいんだろう……」「これ、ルール合ってる?」と全く盛り上がりませんが、後半の収束が素敵。是非とも最大の6人で遊んで欲しい!

トリックステークス

〈トリックステークス/3〜4人/10歳〜/30分〉

4頭の馬が走るレースに出場し、その結果を予想してお金を稼ぐトリックテイキングゲーム。

各々1頭の馬の担当になり、4色の1~12まであるレースカードを受け取ります。どの馬が1位になるか、もしくはどの馬が1位と2位になるかを予想したらレース開始。レースカードを使ってマストフォローのトリックテイキングをします。トリックに勝てば、担当の馬が1マス進みます。2頭の馬がゴールしたらレース終了で、予想が的中していれば得点が貰えます。さらに、担当の馬が1位か2位になれば得点が貰えます。4レースやって、合計得点が多い人の勝ちです。

騎手になって得点を稼ぎ、順位を予想して得点を稼ぎます。まさかの騎手兼ギャンブラーというとんでもない設定です。1レースが終わったら、担当の馬と配られたレースカード全てを隣の人に渡すことになっていて、どの馬がトリックテイキングで強いか弱いかが決まっています。なので、レースの順位予想が出来るようになっているのが面白いアイデアですね。

ゲームマーケット2024春で発売されるカワサキファクトリーの新作です。

キャピタルホース

〈キャピタルホース/3〜6人/7歳〜/30分〉

都道府県に見立てた6頭の馬が今回のテーマでの順位を予想し、得点を稼ぐ競馬風クイズゲーム。

6頭の馬を1枠から6枠まで並べたら、テーマカードを1枚引いてテーマを決めます。6頭の馬が今回のテーマでは何位になるかを考えて、馬券ボードに予想を書きます。テーマカードには正解となる都道府県ランキングが書いてあるので、それを参照して順位を確認します。予想が的中したら、倍率に応じて得点が貰えます。規定回数のレースをやって、合計得点が多い人の勝ちです。

まず、馬の名前が面白い。静岡は「サイレントヒル」、千葉は「サウザンドリーフ」、富山は「リッチマウンテン」、三重は「トリプル」などなど。そしてテーマは、米の収穫量、平均寿命、コンビニの数などいろいろあります。面積の広さや人口の多さなどある程度分かりそうなテーマでも、ランダムに選ばれた6頭の馬では順位の予想がつかなかったりします。おぼろげな記憶や知識を基に予想するのが楽しいクイズゲームです。

ゲームのアイデアにうなり、ランキングの妙にうなる日本人なら誰でも楽しめる大人向けゲームです。


ハッキリと断言しちゃいますけど、実際の競馬より練りに練ったルールの競馬系ボードゲームの方が面白いでしょ。ギャンブルではないので、どんなに当たってもお金は増えませんけど…。負けたとしてもお金は減らないのでいいじゃないですか。何回でも面白さや興奮を味わえる競馬系ボードゲーム。一度は遊んでみてください!