2006年の創業以来、国内外のボードゲームの販売やローカライズを行ってきたすごろくや。代表取締役の丸田康司(まるた・こうじ)氏はデジタルゲームの開発に長く携わってからアナログの世界に転じ、すごろくやを現在の形にまで育て上げた。
すごろくやは吉祥寺や神保町にある販売店経営だけでなく、パブリッシャーとして自社製品の開発と販売もしており、扱うタイトルには『ナンジャモンジャ』や『音速飯店』といった大ヒットゲームが存在する。
ショップ経営の枠にとどまらず、ボードゲーム普及のため執筆、創作から各種イベントの開催まで尽力してきた丸田氏に、ゲームに対する想いと、その哲学について聞いてきた。
(取材地:東京都中野区・すごろくや本社ビル)
デジタルゲーム界から転じてボードゲームショップ開店
――まず、丸田さんがボードゲームに興味を持ち始めたキッカケから、「すごろくや」創業までどのような流れだったのか教えてください。
丸田氏:いわゆる近代のボードゲーム、例えばドイツやアメリカのボードゲームに触れたのは、テレビゲームの開発に携わっていた時期で、当時働いていた六本木のスタジオで遊んだのが初めてでした。1991年ぐらいの話だと思います。
そのスタジオの近くに“プレイシングス”というドイツゲームなどを扱うショップがあって、スタジオの先輩方ともども、ボードゲームに触れる環境があったという感じでした。
――当時はどのようなゲームをプレイされていたのでしょうか。
丸田氏:『ハゲタカのえじき』は当時からありましたし、『ドラダ』や『シャーク』、それから『スコットランドヤード』、『アクワイヤ』なども。“プレイシングス”にあったゲームだけでなく、先輩方がゲームを輸入して遊んでいるような人たちだったので、いろいろなものをプレイしましたね。
スタジオの室長だったのは現在“株式会社ポケモン”代表取締役社長・CEOの石原恒和さんで、集まっている方々は糸井重里さんであったり、すぎやまこういちさんであったりですとか、チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)の中村光一さんがいらしたり。
――なんとも錚々たる顔ぶれですね。
丸田氏:そのようなコミュニティのなかで、「こんな面白いものがあるんだよ」と紹介されて新しいゲームに触れ、自分たちでも作ったりするようになったんです。最近『ハーベスト』というゲームの復刻版が出ましたけど、当時の元版を作ったのはそのコミュニティでしたね。
――お話しいただいたように、丸田さんはデジタルゲームの開発をしていらっしゃったわけですが、そこからすごろくやの創業に至ったのはどのような経緯だったのでしょうか。そのままデジタルゲーム関連の仕事を続けるという選択肢もあったと思うのですが。
丸田氏:これはいろいろなメディアで話してきたことですが、当時、テレビゲームの開発者としての仕事が自分のなかで面白くないと感じはじめていたんです。関わるのが有名タイトルの続編ばかりで、新しいもので勝負しようというより、いかに慣れたもので(売り上げを)獲得するか、という流れになっていて。
その流れの中にいる限り、「面白いゲームが作りたい」という希望はなかなか叶えられないのではないか。それなら、自分が今まで培ったスキルを生かして、自分しかできないことをやったほうがいいな、と思ったんです。
そのなかでボードゲームに関わる事業、ボードゲームのショップを軸にした事業については、なかなか他の人にはできない部分があったのではないかということで、すごろくやを始めたわけですね。
環境を整えてからゲームの制作・プロデュースを開始
――お店では当初販売を主軸としていたわけですが、ゲームの制作やプロデュースも行われるようになったのは、どのような経緯だったのでしょうか。
丸田氏:始めた当時は、自分のところでゲームを作ってもそれほど売れるものではありません。何も実績がありませんから。ある程度売れるという道筋を作ったうえで制作するのであればいいのですが、レールがないのに電車だけ作ってもしょうがない。
すごろくやが自社製品を扱うようになったのは2009年からですが、なぜこの時期に出したかと言えば、この頃になってようやく皆さんの手元にボードゲームをちゃんと届けられる体制が整ったということです。それまでも作る意思はあったのですが、売れないものを作ってどうするんだ、という話ですね。ですから、まず店を主軸にして展開し、ボードゲームとはどんなものか、そしてこのお店がいいものを売っている場所だと知ってもらうところから、じっくりと積み上げていったわけです。
――すごろくや製品のリストを見ますと、2018年ぐらいから販売タイトルの数が増えています。この時期に転換点のようなものがあったのでしょうか。
丸田氏:それは、他社も含めてですが、海外タイトルを日本語版として発売するものが増えたからだと思います。うちで言うと、それまでも日本語版説明書を付けて販売している海外タイトルがたくさんあって、なかにはかなり精度の高い、ほとんどローカライズに近いものもありましたが、それを日本語版にして発売しなおしたということになります。
日本語版が増えてきたのは、資金的な面が大きいですね。ローカライズすると少し安価で作れるようになりますが、一方で大量の在庫を抱えることにもなります。そのリスクを負ってでも、数が売れる目処が立つのなら安く抑えて日本語版を作ったほうがいい。その時期が、他社も含めて日本語版が急増してくる時期とほぼ同じになったのではないかと思います。
ただ、そのあたりは少しやりすぎた部分があって、現在は(販売タイトル数を)抑える方向に進んでいます。ピークは2020~21年ぐらいだったのではないでしょうか。
――近年の販売タイトル数の多さについては、メーカーはもちろん、ユーザー側にも疲れが見えているのではないかという声が出始めているようです。
丸田氏:声が出始めている、ではなく、みんな完全に疲れていますよね。小売店が買ってくれるからと押し込んでいって、もはやパンク寸前になっていますよ。実際にパンクしているところもあって、数年前の話になりますが、大手チェーン店でボードゲームの取り扱いをやめたというところが出ました。
量販店で高額の重量級のゲームがたくさん並んでいるのを見ますが、誰もかれもが買うものではないですよね。でも、全国にショップが1000店舗、2000店舗とあれば、メーカーとしては置いてもらうぶんだけでも作った数は捌けるんです。1000~2000個というのは、(メーカー側からすると)1回で作っていい個数の最低ラインだったりするので、どんどん作って押し込んでしまう。
――売れないゲームを置くばかりの小売店のほうも限界に近い。
丸田氏:コップに水を入れて溢れるギリギリまでものを入れていく遊びがありますが、今の状況は、その遊びで例えると、もう溢れる寸前まで来ているところだと思うんです。
「生活のなかで、自分ができる範囲の楽しいゲーム」をおすすめする
――すごろくやの店舗は、他のボードゲームショップと比べて、どんなゲームかわかるような手引き書や接客など、ユーザーに対してかなりキメ細かく対応している印象です。
丸田氏:ボードゲームを支えている20~30代ぐらいの若い人たちからすると、ゲーマーがやって楽しいゲーム、例えば『カタン』のようなゲームを広めて好きになってもらうことが普及だと捉えているのでしょう。ですが、自分はまったくそのように考えていません。むしろ、それは無理なことだと思います。
「生活のなかで、自分ができる範囲の楽しいゲーム」というものが人それぞれにあって、そのようなゲームを皆さんが遊べるようにする、遊ぶ環境を作る。それが、すごろくやが最初から目指しているところです。それはすごく幅の広いものです。
重量級ゲームがあって、3歳のお子さんでも遊べるゲームがある。でも、子ども向けのゲームを大人が遊んでも、楽しいものはありますよね。ゲームを楽しむというベクトルはひとつの方向だけでなく、いろいろな幅があるものです。その幅に対して、「丁寧に、さまざまな人にアプローチするとしたらどうあるべきか」という考えが、すごろくやという店の方針や接客に反映されていると感じてもらえればいいと思いますね。
――では、こうしたお店での対応について、今後はこうしていきたいとか、見直したいところなどはありますでしょうか。
丸田氏:日本の人は接客を通じて買い物を上手にするスキルが低いですよね。むしろ店員との会話を、できるだけ避けるという人が多い。欲しいものがあれば買っていけばいい、というだけなのですが、店員から話を引き出すやり方も分からないし、そもそも自分がどんなものが欲しいかも分かっておらず、それを聞くこともない。ですから、ありきたりの接客ではない情報の伝え方というのが必要になってきていると考えていて、今はその部分を打ち出そうとしているところです。
すごろくやが興味をより広げてくれる場所になるといいですね。例えば、「心理戦が欲しい」という人が来たら、心理戦のゲームではないものを紹介する。少し幅を広げてみないか、というような提案を店のほうからするわけです。その人は心理戦の面白さは知っているのですから、まったく違う面白さにも触れてみてください、ということですね。
――試遊や遊び方の説明などを積極的に行われて、ゲームの紹介と普及に関して非常に強く力を入れていらっしゃると感じます。丸田さんはボードゲームの書籍なども執筆されていますね。
丸田氏:先ほども言った通り、いろいろな人の生活のなかで、楽しいゲームをもっと積極的に遊んでいく文化が根付いてほしいと思っています。そのためのガイドなら何でもやります、ということで、いろいろな商品にルール説明の補足を付けたり、かつては遊び方のガイドのDVDを付けたりもしていました。
接客も同様です。さらに、その延長線上にゲームを紹介する本の執筆などがあるということですね。詳しく解説した本があれば、じっくりゲームを選ぶことができますし、楽しみ方のポイントが分かる。そのようなフォローも必要だと思います。ボードゲームというものが、より生活の中に浸透していくというところを目指しているので。
“新機軸性”と“定番の度合い”のふたつが揃うタイトルを取り扱う
――すごろくやの自社製品のラインナップを見たとき、例えば『ナンジャモンジャ』や『音速飯店』など、子どもでも楽しめるゲームであったり、パーティーゲームのようなものが多かったりという印象を受けました。
丸田氏:普通に生活して、そのなかでゲームを楽しんでいる人たちの割合をふまえたとき、このようなもの(パーティーゲーム)がより多く遊ばれるのだと考えます。ゲーマー向けのタイトルや5~6千円以上の重量級のものばかり見ている人にとっては単純なゲームに思えるのでしょうが、手軽なもののほうが圧倒的に多く遊ばれて、だんだん難しくなるにつれてユーザーの人口が減っていき、2時間以上かかるゲームはいったい何人がプレイしているのか、といったピラミッド型になっているわけですよね。
――先にゲームを楽しむベクトルの幅の広さに対応するというお話をいただいていますから、大いに納得がいく話です。では、すごろくやがローカライズしたり、販売したりするゲームの選別の基準はどのようなものでしょうか。
丸田氏:自分たちの店で扱うゲームの基準でもありますが、“新機軸性”と“定番の度合い”のふたつがないタイトルは取り扱わないようにしよう、と数年前から決めています。
先ほどお話ししたことですが、我々も新作をどんどん出してみたいという熱にあてられていた時期があって、新しいものならいいと思って販売してみると、これが期待していたほどは数が出なかった。その理由はいくつかあって、ボードゲームカフェなどで遊べるから、であったり、他のお店でもっと安く買えるから、であったり。結局それが不良在庫になって値段を下げざるをえなくなり、そのうち値段が下がるまで買わない人が出てきたりと、非常に不毛な感じになってしまったんです。
このようなことがあったので、「我々が本当に推していける、おすすめしていけるものを厳選していこう」となりました。その基準が新機軸性と定番になりうるかどうかで、このふたつを担保してないものは扱わない。
――近年は基準を厳しくして、販売タイトル数を抑えているのですね。
丸田氏:ですから、新しいチャレンジをしていて、そのうえで一過性のもので終わらずに定番化していくと思えるものを選んでいく。結果として一過性で終わってしまったものもありますが、基本的にはその考えで取り扱ったり、ローカライズしたりするタイトルを選んでいます。
――販売タイトル数が増える一方だと、先ほどお話しいただいたようにメーカー、ユーザー、そしてショップが疲れてしまう。いいゲームであっても、たくさん出るなかのひとつになると埋もれてしまう可能性もあります。
丸田氏:たくさんゲームを出すと、それだけひとつひとつのゲームに対するプロモーションやフォローが薄くなっていきます。特にプロモーションが打てないのは致命的ですから、すごろくやとしては数をグッと減らしてプロモーションをちゃんと打つという部分にも注力していますね。
ユーザー側から見ると、たくさんある選択肢のなかからたまたますごろくやが販売するタイトルを選んだように見えているかもしれませんが、実際にはそうではありません。メーカー間の繋がりなどの関係から、うちが出したいと思ってもそれができない場合もあります。そのあたりは、なかなかユーザーには伝わりにくい部分ですし、お話ししにくいところなのですが。
ボードゲーム界の転機は『ドミニオン』の登場とワードゲームのヒット
――2006年に事業を開始してから現在まで、丸田さんから見たボードゲーム界の変化、変遷等について振り返っていただけますでしょうか。
丸田氏:何度か転機があったのですが、やはり2009年の『ドミニオン』のヒットというのが大きな転換点かと思いますね。あれで、やはり日本語化したほうが良いということになりました。それまでは、ボードゲームは3~4年かけて売れればいい、ぐらいの感覚で日本語化していたのですが、それが発売してすぐに売れた。その後『パンデミック』をはじめ日本語化したゲームがどんどんヒットしていったので、『ドミニオン』の登場が大きな転機でした。
あとは、ワード系のゲームのヒット。我々のタイトルだと『ナンジャモンジャ』ですね。それを皮切りにワードゲームが爆発的に増え、テレビ番組に取り上げられた。さらにコロナ禍の時期はテレビ局がお金が使えないような状況で、ワードゲームを芸能人に遊んでもらえばそれなりに面白い番組ができてしまう。そんなこともあってワードゲームがよく売れたというのが、もうひとつの転機なのかと思いますね。
――複雑なゲームが増えたり、ゲームの販売数が増えてきたタイミングとしては、どこに転機があったと感じていますでしょうか。
丸田氏:それもやはり『ドミニオン』が出てきたときじゃないですか。それまでトレーディングカードゲームをしていた人たちが入ってきて、そこで他のゲームにも目を向けて「こんなに面白いものがあるんだ」と気付いたというところがあったと思います。
――実際のところ、すごろくやさんの店舗でも『ドミニオン』発売時の人気爆発の熱は感じた?
丸田氏:すぐに売り切れてしまいましたからね。
――再販待ちになってしまった。再販ということについては、ボードゲームには永遠の課題という感じがしますね。
丸田氏:それはいまだにありますね。1500個ぐらいの壁がいまだにありますから。うちの製品でいうと、近日『チューリングマシン』が再販されますが(※2023年11月30日時点)、これにしてもあと3000個作ったら、はけるかどうか怪しいと思いますし。
――『チューリングマシン』は直近で再販がXで告知されていました。
丸田氏:(2023年)12月上旬ぐらいには出回っていると思います。すごろくやは再入荷通知のサービスをしているので、そちらに登録しておいてもらえれば通知が入りますよ。
再入荷通知(すごろくや公式サイトより): https://sugorokuya.jp/u/restock_alerts
すごろくやが行ったボードゲーム普及のための施策
――丸田さんはボードゲームの普及のためさまざまなイベントを企画したり、執筆活動をしたりされています。これまでに行ってきた施策や、今後やりたいと考えていることについてお話しください。
丸田氏:言えること、言えないことがありますが、やってきたことは山のようにあるので……主だったところでは、公式予約というものは成功だと思っています。これはメーカーが商品を発売するにあたって事前にサイトで予約を受け付け、提携しているショップを選択して、そこで割引で購入して受け取るというサービスです。
すごろくや公式予約: https://sugorokuya.jp/reserve-item
この施策を行った理由は、ショップ側からの予約数やショップに卸す数というものに疑問を感じていて、掘り下げていくとやはり不毛な問題に突き当たってしまう。要はショップとメーカーの間で囲い込みに近いことが行われているんです。これに対するメーカー側の対応のひとつがクラウドファンディングで、自分のところで作るから早めに買いたい人は先にお金を払ってください、ということですね。その後しばらくしたら小売店にも卸すわけですが、ショップからすると、すでに欲しいと思っている人があらかた購入したあとで売れるかどうか分からないものを取り扱わなければならない。これも不毛ですよね。
よりフェアに、小売店の努力を反映したいと思って作ったのが公式予約の仕組みです。頑張った分だけ自分のところできちんと数が売れるので、それでショップの知名度や全体的な売り上げも伸びるわけですし、需要を探りつつ、その後のどのぐらい売れるかのバラメーターにもなると考えています。始めて3年ぐらい経つシステムですが、これは各方面から感謝の声もいただいていますし、やって良かったと思っています。
もうひとつ挙げると、最近フォローアップ通知ということも始めていて、これはユーザー側が細かくキーワードを登録して、そこに合うゲームについての情報だけを通知するというものですね。少し複雑な仕組みになっているので、なかなか他では真似ができないのではないでしょうか。
あとは、すごろくやスタンド。定番のボードゲーム20種が置ける専用の商品棚で、どのようなお店でも、小さなスペースで設置できるというものです。
すごろくやスタンド: https://sugorokuya.jp/reserve-item
――すごろくやスタンドは、SNSで注目されているのを見たことがあります。
丸田氏:宮崎県の精肉店に置いていただいたものは、その意外性もあって話題になっていました。この施策も、少しずつ実を結んでいるという感じです。詳しいことは言えませんが、他にも新しい別の施策を準備していて、来年の春ぐらいに発表できると思います。
丸田氏がおすすめするすごろくやタイトルは?
――現在すごろくやから出版しているタイトルの中で、おすすめのゲームは何でしょうか。ジャンルごとにご紹介ください。
丸田氏:うちの分類の基準で、子ども、大人、じっくり、手軽というキーワードで分けてお話ししましょう。
まず、子どもで手軽なら『ナンジャモンジャ』ですが、これは『犯人は踊る』と迷うところです。『犯人は踊る』は口コミで広がって人気が出たタイトルで、本来ならこれがもっとも理想的な売れ方だと思っています。次に子どもでじっくり。これは『すずめ雀』ですね。
大人で手軽、は『ダニー』を推したいですが、BROAD読者向きではないかもしれません。他には共感系の『適当なカンケイ』……もしくは、新作になりますが『キウィズの王様』を挙げます。『キウィズの王様』は、チーム対抗戦で代表者1人が答え続けるドボンクイズです。3×3の問題と答えの組み合わせがあって、正解を踏んでしまうとドボン。問題が絶妙でどの答えも正しく思えてきて、非常に盛り上がります。これはオススメですね。
■ゲムマ2023秋
キウィズの王様の絶妙なクイズたちを、ぎゅぎゅっと凝縮して体験できるコーナーをご用意!全然知らない、でも当てられるかも……な問題たちが、皆様をお待ちしております。
うっかり正解してしまったものなら、賢さ自慢の王様の逆鱗に触れてしまうかも!?#ゲームマーケット2023秋— すごろくや (@sugorokuya) November 28, 2023
キウィズの王様(すごろくやサイト): https://sugorokuya.jp/p/grand-kiwiz
最後に大人でじっくり。連想系の協力型ゲーム『デクリプト』とロジカルな論理パズルの『チューリングマシン』で迷いますね。『ザ・キー』もおすすめなのですが、どれかひとつ選ぶとすると『デクリプト』でしょうか。
――すごろくやとして、今後どのようなゲームを販売していきたいとお考えですか。
丸田氏:繰り返しになりますが、新機軸と定番度のふたつがキーワードになります。今後出していくゲームに関しても、この条件に照らし合わせてクリアできるゲームということですね。
近く発売になる新作では、『キウィズの王様』のほかに、すでに発表しているものとして『コスモポリート』。これはアプリを使ってさまざまな言語を話すお客さんから注文を取り、コック役に作る料理を指示するというもので、予想もつかない展開になって非常に面白いです。
こちらは「 #コスモポリート」の「聴き取り食材探し」アトラクション。ホンモノのネイティブスピーカーのみなさんの注文を聞き取り、正しい食材を探し出しましょう! (約5分) https://t.co/ESHLKydFLf pic.twitter.com/8BcIUdcjhH
— すごろくや (@sugorokuya) October 29, 2022
それと、これも発表済みの『ダービーカジノ』。競馬のレースにベットするゲームで、レースが始まってから展開を見ながら早いもの勝ちで賭けていきます。それぞれの馬はダイスを振って進むのですが、予想外の動きをしてなかなか読めない。爆発的に盛り上がるゲームなので、ぜひ期待してほしいですね。
◆新作予告『ダービーカジノ』日本版
レースの展開を見守りながら、賭け枠を早い者勝ちで奪い合う、新感覚の“リアルタイム”競馬ゲーム。高倍率を狙っていち早く勝負に出るか、じっと待って着実に行くか。アドレナリン大噴出、大盛り上がり間違いなしです。この冬発売予定。https://t.co/3EFNc3YatC pic.twitter.com/SIU6INdPxJ
— すごろくや (@sugorokuya) August 26, 2023
――最後に、すごろくや様のゲームをプレイしているアナログゲーマーの皆さんに向けてひとことお願いいたします。
丸田氏:すごろくやが発売するゲームは「こんな傾向がある」ですとか、「こんな面白さを大事にしている」とか、「説明書が読みやすい」といったように、我々が自分たちのゲームに対していいと思っている部分を感じてもらえたら嬉しいですし、今後もそういったことを大事にして新しいゲームを届けていきたいと思っています。ぜひ、楽しみにしていてください。
いかがだっただろうか。ショップやメーカーの立場からは話しにくいような話題もズバズバと語ってくれた丸田氏。彼がすごろくやのゲームの方向性として繰り返し挙げていたキーワードが“新機軸性”と“定番度”だった。実際に近年発売されたゲームを見ても、例えば『チューリングマシン』であったり、『ディスクカバー』や『音速飯店』であったりと、そのほとんどが他のゲームにない新しさと、定番化に繋がるリプレイ性や熱中度の高さを持っていると感じた。
取り扱う個々のゲームの独自性の担保はもちろんのこと、ボードゲームの業界全体についても固有の視点からさまざまな問題を提起し、対策として施策を打ち出す。これからもすごろくやはボードゲーム界において独自のポジションを保ちつつ、我々を驚かせるようなゲームを発売し、業界のためになる施策を打ち続けてくれるだろう。
すごろくやサイト: https://sugorokuya.jp/
すごろくやX: https://twitter.com/sugorokuya