力を合わせてみんなで難局を突破! 最新協力型ボードゲーム8選【2024年度版】

ボードゲームには、プレイヤー同士が協力して共通の目標を達成する“協力型”というジャンルがあります。ひとりの勝者を決めるのではなく、目標達成時はプレイヤー全員の勝利となるわけです。

協力型ゲームの良さは、プレイヤーみんなで頭をひねり、力を合わせ、相談しながら行動を決めていくところ。さらに勝利した際に喜びを分かち合うことができるのも嬉しい。対戦型のゲームとは違ったプレイ感で、やみつきになってしまったというプレイヤーも多いのではないでしょうか。

以下のBROADの記事で、協力型ゲームを34タイトルほど紹介しています。

みんなで一丸となってクリアを目指せ!本当に面白い協力型ボードゲーム34選

※上記記事で紹介しているのはコチラ!
パンデミック / ザ・ゲーム / ザ・マインド / ito / マジックメイズ / パレオ〜人類の黎明〜 / ミステリウム / シリト:リミット10 / ジャストワン / 単語探知機タンタンゴ / 死者の日の祝祭 / 禁断の島 / 月面探険 / 宇宙逃げろ / おばけ屋敷の宝石ハンター / 勝手にしやがれ / トゥールームス / 文絵のために / コードネームデュエット / チーム3 / スピニングアドベンチャー / スライドクエスト / メナラ / オキドキ / ホッピンガレージ / ファトムズ / アニュビスの仮面 / ミクロマクロ / ゾンビキッズ:進化の封印 / EXIT 脱出:ザ・ゲーム / タイムストーリーズ / アンドールの伝説 / スピリットアイランド / エルドリッチホラー


今回は“2024年度版”として、上の記事では取り上げていない比較的新しめのゲームを中心に8点ほどご紹介しましょう。

※五十音順に紹介しています。

カイト

6つの砂時計と格闘するリアルタイム協力アクション!

6つの凧を空に上げ、最後まで滞空させ続けることを目指す協力ゲームです。凧は6色の砂時計に対応しており、砂時計をひっくり返してスタート。プレイヤーは手番に手札を出して対応する砂時計をひっくり返します。

これを繰り返していきますが、砂時計の砂がひとつでも落ちきってしまうと凧が落下したことになり、失敗。そのため、もう少しで砂が落ちきりそうな砂時計をひっくり返すカードを出していくことがコツになります。ただし、6つの砂時計の砂の量は均一ではなく、落ちきるタイミングはすべてバラバラ。さらにプレイヤーの手札によっては危険な砂時計をひっくり返すことができない場合もあるため、プレイヤー同士の意思の疎通と協力が重要になってきます。

刻一刻と砂が落ちていくなか、状況を見極めてどの砂時計を返していくか。瞬時の状況判断ときびきびとしたプレイが求められます。リアルタイムで進行するため向き不向きはあるでしょうが、ひりつくような緊張感と危地を切り抜けていく快感が得られるゲームです。

カイト 概要】
メーカー:アークライト
プレイ人数:2~6人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:~30分

ことばのクローバー

ひとつのヒントから2つのワードを導き出し“ことばのクローバー”を完成させよう

クローバー型のボードにはめ込まれたキーワードカードを、正しい形で戻すことを目指す協力型のワードゲーム。

プレイヤーは四辺に単語が書かれたキーワードカードを4枚引き、ボードにはめ込んで隣り合ったカード同士のふたつのワードから連想されるヒントの言葉をボードの四辺に書き込み、その後にワードのカードをボードから外してシャッフル。子のプレイヤーは親のプレイヤーのボードにに書かれた4つのヒントを参考に、相談しながらワードカードをボードに戻します。正しい形でワードカードを戻すことができれば高得点。これを各プレイヤーごとに繰り返していくのです。

ヒントの言葉から、ふたつのワードを簡単に結び付けることができればいいのですが、そううまくはいきません。まったく関連のないワードを連想してもらわないといけないこともあり、どのようなヒントを出すか、どう伝えるかがポイントになってきます。簡単なルールで誰でも楽しむことができるため、パーティーゲームとしても重宝するタイトルです。

ことばのクローバー 概要】
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:3~6人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:~30分

ザ・クルー 第9惑星の探索

限られた通信手段で意思疎通を図り、ミッションをクリアしていくトリックテイキング

ドイツ年間ゲーム大賞2020のエキスパート部門をはじめ、数々の賞を獲得した協力型トリックテイキング。プレイヤーは宇宙飛行士となり、仲間と協力しながら数々のミッションに挑戦していきます。ミッションは全部で50種用意されており、難度が低いものからプレイして段々と難しいミッションにステップアップしていくような流れとなっています。

それぞれのミッションは、指定された数のタスクをこなすことで達成です。タスクは「緑の4のカードを獲得する」といったように、色と数字が指定されており、タスクカードを引いたプレイヤーがその条件を満たすことで達成、満たせなければ失敗。複数のタスクが存在する場合は達成する順番まで指示されていることがあり、この順番を守れなかった場合も失敗となります。

基本はマストフォローのトリックテイキングなので、最初に手札を出した人の色と同じカードを持っていれば出さなければいけません。そのうえで、タスクで指定された色と数字のカードを該当プレイヤーが勝利するトリックに送り込まなければいけないということになります。このため、プレイヤー同士の手札の把握、意思の疎通が重要になってきます。

しかし、本作は宇宙空間を舞台としているだけに、コミュニケーションに制限があります。プレイヤー同士は会話禁止。ただし、ひとつのミッション中に1回だけ“通信”という行動が可能となっており、手番で自分の持っている手札を1枚公開して、「このカードが手持ちのその色のなかで最大」もしくは「最小」、または「最後の1枚」というメッセージを他のプレイヤーに伝えることができます。

通信をうまく使いつつ、タスクの条件をクリアしていくのはとてもスリリング。協力ゲームの醍醐味ともいえるプレイヤー間の相談をあえて禁止することにより、独特のプレイ感を実現した傑作です。続編として、深海探査をテーマとした『ザ・クルー 深海に眠る遺跡』も発売されています。

ザ・クルー 第9惑星の探索 概要】
メーカー:ジーピー
プレイ人数:3~5人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:~30分

DORASURE(ドラスレ)

邪竜を討伐して世界を救え! 冒険者たちが紡ぐ英雄譚

自分のキャラクターを冒険を通じて成長させ、最後にドラゴンとの決戦に臨むミニチェアボードゲーム。

プレイヤーはそれぞれ能力が違う冒険者をひとり受け持ち、マップ上を探索します。そこには、クエストを攻略してアイテムを獲得したり、モンスターを倒して経験値を得たりといったファンタジーRPGのような冒険が展開。そして、存分に力を蓄えたら最後の戦いに。ドラゴンの力は強大ですが、仲間と力を合わせて最凶の敵を討ち果たしたときの達成感は大きなものがあるでしょう。

雰囲気を盛り上げるキャラクターのメタルフィギュアや職業別の個人ボード、A3サイズのゲームボードなどコンポーネントも魅力たっぷり。かつて誰もが胸躍らせたファンタジー世界の冒険を存分に楽しむことができる一作です。『帝都決戦オクタヴィア』などの拡張セットや、カードゲーム『ドラスレ 冒険酒場』、1人用ゲーム『ドラスレひとり旅』など世界観を同じくする派生作品も登場しています。

DORASURE(ドラスレ) 概要】
メーカー:ジャイアントホビー
プレイ人数:2~5人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:30~60分

HANABI(花火)

昇順にカードを並べて夜空に花火を打ち上げよう! 限られたヒントを頼りに自分の手札を予想

2013年ドイツ年間ゲーム大賞受賞作。デザイナーは『世界の七不思議』で知られるアントワーヌ・ボウザです。

プレイヤーは、無事花火を打ち上げることを目指す花火師。手番では、手札から花火のカードを1枚出すか、1枚を捨てて入れ替えるかします。花火のカードは1~5の数字があり、色ごとに昇順に出していかなければいけません。しかし、自分の手札は他のプレイヤーに向けて並べるため、自分自身はその内容を確認することができないのです。

では、どうやって手札を出していくのか。プレイヤーの手番では、他者の手札に対してヒントを提示することもできます。つまり、自分は他者からヒントをもらい、自分の手札を予想して場に出していくということです。ただし1回に出せるヒントは色、もしくは数字のどちらかの情報だけ。さらにヒントをもらえる回数にも制限があるので、プレイヤーは限られた情報から状況と手札を推測しなければならないのです。場に出す札を3回ミスするか、山札がなくなったら終了。どれだけ花火を打ち上げることができたかで達成度をはかります。

ルールは簡単ですが難度は高く、なかなかうまくいかないもどかしさがあります。そのぶん、成功した時の達成感は大きなものがあるでしょう。

HANABI(花火) 概要】
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:2~5人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:30~60分

ファン・ファクツ

盛り上がり必至の協力型パーティゲーム! お題に対応した数字を順番通りに並べよう

ドイツ年間ゲーム大賞2023ノミネート作品。「何メートル先まで靴を飛ばせますか?」「あなたは自分のスマホに、いくつのアプリをインストールしていますか?」のように、数字で返答するお題の質問が出ます。プレイヤーは質問の答えをプレートに書いたら親から順に裏向きに並べていき、全員が出したら公開。並び順が正しいほど高得点が得られます。

誰がどれぐらいの数字を書いたか、さらに自分が書いた数字がどの順になるかを予想し、相談しながらプレートを置いていくのですが、これがなかなか正しい位置にはまりません。

質問は全部で192種類も用意されており、繰り返しプレイすることができます。みんなであれこれと話しながらのプレイがとても楽しいパーティーゲームです。

ファン・ファクツ 概要】
メーカー:アークライト
プレイ人数:4~8人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:~30分

マスターワード

ヒントをもとに答えを絞り込む! 喧々諤々の議論が大沸騰

最初に「動物」や「乗り物」といったように、回答のジャンルだけが提示されます。子のプレイヤーは、このジャンルに対して「哺乳類」「草食動物」「動物園で見られる」「ジャングルに住んでいる」など、回答を絞り込んでいくワードをカードに書いて提出。親は出てきたワードを見て、そのうちいくつかが正解に該当しているかをトークンを置いて示します。例えば、正解が「ライオン」なら、先ほどの4つのワードのうち2つ(「哺乳類」と「動物園で見られる」)が該当しているので、2個のトークンを置く。プレイヤーは、この数字をもとに議論し、さらにワードを絞り込んで正解に迫っていくのです。

ただし、ここで得られる情報は該当した数だけで、どのワードが正しかったまでは分かりません。そのため、時には復数人で同じ答えを書いて絞り込んでいくという手も有効になります。例えば「哺乳類」を2人、「爬虫類」を1人、無回答を1人という答え方をしておけば、正解数が2なら哺乳類、1なら爬虫類、0ならその他と絞り込めるわけです。

プレイヤーに与えられた回答の回数は全部で7ラウンド。このなかで3度だけ正解のワードに回答することが可能で、見事的中できれば成功です。みんなで話し合い、協力しながら段々と正解に近づいていくのがとても楽しい! 最大6人までプレイ可能で、パーティーゲームとしても適しています。

マスターワード 概要】
メーカー:すごろくや
プレイ人数:3~6人
対象年齢:12歳~
プレイ時間:~30分

ロビンフッドの冒険

プレイするたびに展開が変わる! 重厚なストーリーが楽しめるレガシーゲーム

ゲームをプレイしながらシナリオを読み進める、物語体験型のゲーム。デザイナーは『アンドールの伝説』のミヒャエル・メンツェルで、『ロビンフッドの冒険』も『アンドールの伝説』と同じくゲームの進行がシナリオブックで提示された選択肢の選び方によって変わる、いわゆる“パラグラフ・アドベンチャー(ゲームブック)”の型式になっています。

本作のモチーフとなっているのは、中世イングランドの反逆の英雄“ロビンフッド”の物語。プレイヤーは“ロビンフッド”に登場する4人のキャラクター(ロビンフッド、マリアン、リトルジョン、スカーレット)の誰かを担当し、ボード上を冒険していきます。新たなポイントに到着して調査をしたり、誰かと会ったりすると、シナリオが進行。指定された数字の箇所をシナリオブックから探し、読み上げます。そして、ここでいくつかの選択肢が提示され、選んだ答えによってその先の展開が変わっていくのです。

シナリオブックはなんとハードカバーの豪華版! 全200ページを超える大ボリュームで、9つのシナリオが用意されています。結末までプレイするのには長い時間がかかるので、決まった仲間と途中までの状況を記録し、何度かに分けてプレイしていくのが良いでしょう。プレイするたびに展開が変わるため、繰り返し遊ぶことも可能。贅沢で雰囲気十分のコンポーネントと独特のシステムも魅力的で、重厚な物語とロールプレイを楽しみたい人にオススメのタイトルです。

ロビンフッドの冒険 概要】
メーカー:ジーピー
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:60分~


いかがだったでしょうか。協力型のゲームは、ひとつの目標に向かってみんなで力を合わせ、その時間を共有することに楽しさがあります。ひとりの勝者を決めるものではないので物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、協力型のゲームからしか得られない何かがあるのです。もし未体験という方がいらっしゃったら、ぜひとも仲間を誘ってプレイしてみてください。

前述した通り、今回の記事では重複を避けるためにこれまで紹介してきた協力型ゲームのいくつかを省いています。別の記事で取り上げた協力型ゲームのタイトルを記載しておきますので、興味がある方はぜひ以下も合わせてご覧ください。

【2024年版】ガッツリ2人で!本格的に楽しむ2人用ボードゲーム8選
~『スカイチーム』『トゥールームス』(2人用)
https://broad.tokyo/column/36413

【2024年版】サクっと2人で! 軽めに楽しむ定番の2人用ボードゲーム8選
~『コードネーム:デュエット』(2人用)
https://broad.tokyo/column/36392

ダイスをたくさん振って気分爽快! ダイスロールゲーム9選
~『パンデミック:完全治療』
https://broad.tokyo/column/35857

デッキ構築型ボードゲーム8選! 手札を揃えて強力なコンボを発動させよう!!
~『イーオンズ・エンド』『Slay the Spire: The Board Game』
https://broad.tokyo/column/35524

10人で遊べるゲーム10選!! 人が多いほうが楽しい! 大人数でワイワイ盛り上がる!
~『ito』(多人数)
https://broad.tokyo/column/34856

「3人」集まったときに何を遊ぶ!? 3人用に特化したボードゲーム7選!
~『トリックアンドトラブル』(3人用)
https://broad.tokyo/column/32528